つれづれ読書日記

日々の読書感想を、読みっぱなしにしないで忘れないうちにメモしておきたいと思います。

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サッカレー「虚栄の市(Vanity Fair)」

三宅幾三郎訳/岩波文庫
 レベッカとアミーリアという二人の学友が女学校を卒業して去るところから物語が始まる。アミーリアは、幼なじみで許嫁のジョージをいちずに恋しているが、ジョージはお金持ちの商人の息子であるが、少し軽薄なところがある。ジョージの小学校時代からの親友であるドビンはひそかに親友の許嫁であるアミーリアを恋している。レベッカはいやしい生まれだが、持ち前の才気と美貌で上流社会へのし上がっていく。
 ジョージは遊び回っているお金持ちのぼんぼんであるが、アミーリアの家が破産して没落した時、親友のドビンに説得されてアミーリアと結婚する。アミーリアはただいちずでジョージの俗物根性も見抜けないし、ドビンが密かに自分を慕っていることにも気づかない。ドビンは、風采のあがらないどんくさい大男なのだ。
 社交界を牛耳り、男を振り回すレベッカに、ジョージが逢引きの約束を取り付けようとしているとき、ジョージに召集令状が来る。そして、ジョージは戦争で死に、アミーリアのお腹に男の子が残される。
 4人が主人公であること、ドビンと「戦争と平和」の主人公ピエールの性格の類似、ナポレオン戦争が背景にあることなど、トルストイ「戦争と平和」にシチュエーションが似ている。20年後に書かれた「戦争と平和」は「虚栄の市」の影響を受け、トルストイはこの本を読んでいたと思うのだがどうなのだろう。
 アミーリアはジョージの遺児を育て、ドビンは経済的にも親友の残された母子の面倒を見る。しかし、アミーリアはドビンが以前から自分を慕っていたことを気づいていながら知らない素振り、ドビンの愛を受け入れない。ついに、ドビンはアミーリア母子のもとから去っていく。ドビンの真価に気づいていたのはレベッカで、レベッカは出征の直前にジョージからもらった付け文をアミーリアに見せる。しかし、その前からアミーリアの決意は固まっていたのである。
 ついにドビンが船に乗って帰って来る。ドビンになついていたジョンが双眼鏡の中にドビンを発見して叫ぶ。「わあい、ドップだドップだ」ドビンはアミーリアのもとに帰って来たのである。
 最終章に近いこのシーンでは思わず泣いてしまった。ぜひお薦めしたい名作である。

 私の読んだのは、三宅幾三郎訳(岩波文庫、全6巻、1940年)であるが、現在手に入るのは、中島賢二訳(岩波文庫、全4巻、2004年)である。
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テーマ:本の紹介 - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/01/22(火) 17:49:04|
  2. イギリス文学
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